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シード期のSaaS企業において、経営者からチームに浸透させるべきKPI

Handbook3.16.20222 min read

SaaS企業における目標設定・目標共有の重要性


シード期のSaaS企業において、目標設定やメンバーへの目標共有は日々の業務の中で行われているかと思います。

また、その目標に根拠があり、チーム全員が納得感を持って目標を追いかけている状態にすることは会社にとって必要であり、資金調達の観点からも重要です。

本項では事業計画作成の目標設定時によくある課題から、その重要性を紐解いていきたいと思います。

課題1:高い目標を掲げているものの、その根拠が薄く、達成可能性が低い

1つ目のよくある課題は、経営者が立てた目標が途方もなく高く、さらにその達成可能性を担保するような根拠が薄い、というものです。

事業計画作成段階で高い目標を掲げ、優れたビジネスモデルを打ち出したとしても、目標達成の見込みがないと判断されてしまうとVCからの資金調達が難しくなります。

VCは「その計画は本当に実現するのか」という点を重要視しています。

「誰が何をやって、いつまでにいくらの売上・利益を生み出す計画なのか」「その計画は本当に実現するのか」といった、当たり前のことを知りたいのです。

VCからの資金調達を成功させるためにも、根拠となるKPI設定が重要と言えます。

※信頼される事業計画書の作り方については、以下の記事で詳細に解説しているので、ぜひ参照してみてください。
信頼される事業計画書の作り方

課題2:メンバーが追うべきKPIがわからない

2つ目のよくある課題は、各セクションのメンバーがそれぞれどんなKPIを追うべきかわからない、というものです。

目標ARRなど会社としてのKPIがあったとしても、それが各セクションのメンバーの行動指標にまで落とし込まれていなければ、メンバーは独自の目標を立て日々の施策を行うことになります。

例えばマーケティング担当がインバウンドの問い合わせを増やそうとしても、どのくらい増やせばいいのか、その先のリード数などは考慮しなくて良いのか、など曖昧な部分が多く、納得感のないまま業務に当たることになるでしょう。

これらの点から、全体目標を起点に各担当のKPIが設定され、誰がどのように行動し何を管理すべきか明確になっている状態が望ましいと言えます。

ここからは、各セクションごとに追うべきKPIを解説していきます。

マーケティング担当が追うべきKPI

マーケティング担当が追うべきKPIは以下の2点です。

  • 目標ARRから逆算した月次のセッション数
  • 目標ARRから逆算した月次のリード数

VCは事業計画の目標ARR・MRRを見た際に、成功しているSaaS企業の実績を参考にしつつKPIを逆算することで、「受注に至るまでのパイプラインに無理がないか」「その目標ARR・MRRは本当に実現するのか」を確認します。


「目標ARRが3億円として設定されているのであれば、MRRは2,500万円となる。
MRR2,500万円を達成するためにはARPAと有料顧客数がこの程度必要になる……」のように、目標から一つひとつのKPIを逆算して実現可能性を評価するのです。

SaaS企業の場合、受注に至るまでのパイプラインを分解していくと、最初の入り口は「月次のセッション数」と「月次のリード獲得数」となります。そのため、顧客とのファーストコンタクトを生み出すマーケティング担当が追うべきKPIとして、その2点が重要となります。

マーケティング部門は受注へのパイプラインにおける蛇口の役割を果たすため、上記2点のKPIを達成できるかどうかが、その後の商談数や受注数、ひいては目標ARRの達成可否の命運を決めます。

マーケティング担当は、自分が持つKPIの達成だけでなく、その先にある商談・受注まで視野に入れた施策を、営業を巻き込みながら実施できるとなお良いでしょう。

マーケティング担当と営業担当がお互いのKPIに関する共通認識を持てるよう、KPI管理用のダッシュボードを用意し各担当の進捗を元に議論することは、有効な手段の1つです。

例えば、自社サービスに対する認知度が低く、月次のセッション数がKPIに対し不足してしまっているとします。ダッシュボードを元とした議論を通じて営業担当がその状況を把握できれば、営業担当に商談の中で見込み顧客の情報収集元をヒアリングしてもらい、マーケティング担当がその媒体に対して広告を打つ、といった施策も思いつくでしょう。

“projection-ai”では、作成した事業計画を基に、月次のセッション数、リード数、商談数、受注数といったKPIレベルに分解し、各担当レベルで予算達成のために必要となるKPIを確認することが出来ます。

営業担当が追うべきKPI

営業担当が追うべきKPIは以下の2点です。

  • 目標ARRから逆算した月次の商談数
  • 目標ARRから逆算した月次の受注数

マーケティング担当が追うべきKPIと同様にパイプラインを分解し、「目標ARRから逆算して、受注に至るまでのパイプラインが無理のない内容となっているか」「そのうえで、目標ARRは実現できるのか」という観点からKPIを設定していきます。

受注に至るまでのパイプラインとしては、マーケティング担当から営業担当にパスされたリードが商談化したのち、商談が進んだ結果受注する、といった流れとなるため、「月次のリードの商談化数」と「月次の受注数」が、営業担当の追うべきKPIとなります。

営業部門のパフォーマンスはMRRの数値に直結するため、マーケティングセクションと同様、KPIの達成が目標ARRの実現にとって非常に重要となります。

営業担当の方は自身の商談化率・受注率を高める工夫を積み重ねつつ、マーケティング担当と密にコミュニケーションを取りながら、商談率と受注率を改善していけるとなお良いでしょう。

例えば、資料請求を行った見込み顧客に商談の設定を提案したところ、「先にもう少し他社との比較を行ってから商談を行いたい」と断られるケースが増えているとします。

このことをマーケティング担当に連携することで、「自社を含む他社製品との比較資料」を作成してもらい、上記の理由で商談の設定が断られる確率を下げる、といった対策を打つことも可能となるでしょう。

KPIの設定に活用できる事業計画作成SaaS「projection-ai」


シード期のSaaS企業においては、目標設定を行い、メンバーに対して目標共有を行うことが重要だと述べました。

また、目標もただ設定すればよいわけではなく、「その目標ARR・MRRは本当に実現するのか」が分かる根拠として、全体目標から逆算して各セクションにKPIを設定する必要があることをお伝えしました。

しかし、上記のような「全体目標から逆算され、かつ目標の実現性を担保するKPI」を自力で計算することは、手間もかかる上に難しいかと思います。

その状況を打破する1つの選択肢として、逆算型で事業計画の作成が可能なツールの活用が挙げられます。

例えば事業計画作成SaaS “projection-ai”であれば、国内・海外の成功しているSaaS企業のデータを参照しつつ、目標ARRから逆算して「月次のセッション数」「月次の受注数」といったKPIの参考値を手間なく簡単に算出できます。


加えて、算出したKPIを管理する機能や月次で予実対比を行う機能も持っているため、シード期を超えて有効活用し続けることも可能です。

projection-ai は7日間のフリートライアルを実施しているので、目標設定に悩まれている経営者の方はぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

prijection-ai 7日間フリートライアル



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