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【イベントレポート】SaaSスタートアップ 事業計画のリアル

Finance11.1.20211 min read

今回は projection-ai 初!となるウェビナーを開催いたしましたので、そのイベントレポートをお届けします。

今回登壇いただいたのはNota社の洛西さん、ディライトの案野さんです。お二方ともに SaaS起業家かつ、projection-ai のヘビーユーザーであり、事業計画において抱えていた課題、そして、projection-ai をどのように活用されているのか、弊社盛島が深堀りいたしました。

<洛西一周 氏>
Nota株式会社 代表取締役CEO

1982年生。人間味あるソフトウェアづくりを掲げて、高校時代に知的生産アプリ「紙copi」を開発し、3億円のセールスを記録。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了後、2007年より渡米してNota Inc.を設立、世界向けのアプリやウェブの開発を手がける。5年間の苦心の末、米国・欧州マーケットでのシェア獲得に成功し、現在は、Gyazoがスクリーンショット共有で月間1000万UU、世界トップシェアを持つ。2003年度経産省IPA未踏ソフトウェア創造事業天才プログラマー認定。

<案野裕行 氏>
株式会社ディライト 代表取締役

1994年3月慶應義塾大学理工学部卒業(ニューラルネットワーク(AI)専攻)。1994年伊藤忠商事入社。2000年退社。米国で起業。①選手代理人サービス:外国人選手来日支援。複数の日本代表選手で、イタリア移籍、アゼルバイジャン移籍、フランス移籍、スペイン移籍、トルコ移籍、ドイツ移籍など実績多数。バスケットボールでは、日本代表チームキャプテン経験選手の国内移籍を実現。伊藤忠関連の証券会社時代に株式を売っていたときに得た営業スキルの活用。②イベント主催・受託サービス:2019年は宮島マラソンなどマラソンイベントを国内外で年間約20以上主催。その他カンボジアオリンピック委員会との直接契約、富士山マラソン、海外募集ディレクターなど ■SaaS①、②得た知見を切り出しSaaS化し外販。AI電話も、元は自社向けに利用。その他、自社を実験台に世界の40以上のSaaSをアーリーアダプターとして活用中、5から10年後に大企業でもニーズがでてくるので、アドバイスや導入サポート業務も実施中。


盛島:本日はよろしくお願いいたします。洛西さん、案野さん、簡単に自己紹介していただけますでしょうか。

洛西氏:はい、Notaの洛西と申します。弊社では、「Helpfeel」というSaaSを開発しています。どんな質問にも回答できる検索エンジンで、ユーザーの自己解決率向上の支援をしています。

守りのCSだと、問い合わせ数の削減、受電率の削減として利用されています。攻めのCSだと、ユーザーの離脱率の低減、商品到達率の向上などにご利用いただいております。本日はよろしくお願いいたします。
©︎Nota

案野氏:ディライトの案野と申します。弊社では「ディライトアシスタント」というAI電話を提供しています。

簡単に申し上げると、チャットボットの電話版です。電話をすると、AIが応答してくれたり、AIが録音データを文字起こしして、メールやSlackに飛ばしてくれる機能もあります。

スタートアップの代表電話から、大企業のコールセンターまで利用が進んでいます。本日はよろしくお願いいたします。
©︎ディライト

盛島:ありがとうございます。いきなり本題ですが、projection-aiをどのように活用されていますか?

洛西氏:実は私、事業計画を作るのがとても苦手なんです。夏休みの宿題もギリギリまでやらないタイプの人間なので、事業計画も資金調達の最後の最後に作成していました。笑

また、事業計画に対するイメージもあまり良くありませんでした。プロダクトの開発や、顧客へのセールスなど、自分で動くことは好きなのですが、事業計画は正直、空想のものだと思っていたんですよね。

そんな私が変わったきっかけになったのが、projection-ai。最初、浅田さんから事業計画の「筋トレメニュー」だと聞くと、なんだかしっくりきました。

3年後にどうなっていたいのかイメージできたり、ARRのXX%コストを投じれば、目標達成ができるという「逆算型」のコンセプトは目から鱗でしたね。

目標KPIに関しても、ARRと連動しているので管理がとても楽なんです。エクセルで同じものは作っていたのですが、ボトムアップで作っていたため、辻褄が合わないこともありました。

盛島:なるほど。他のユースケースはありますか?

洛西氏:経営会議でも活用しています。弊社はすでに資金調達を行っているので、なるべく有益なフィードバックをVCさんからいただきたいと思っております。そのため、projection-aiの予実管理機能を見せながら、事業の進捗状況を説明しています。

また、SaaSメトリクスなど、用語の認識がお互いに一致するため、具体的なアイデアをいただきやすくなりました。自分達が作っている事業計画を、グローバルスタンダードなものに近づけることで、質の高いフィードバックを得られていると感じています。

盛島:ありがとうございます。では、案野さんはいかがでしょうか?

案野氏:はい、弊社はディライトアシスタントの計画作成でprojection-aiを使っています。私も洛西さんと同じように、事業計画は苦手なタイプで、まずは自分でやってみて、ダメだったら他のものを参考にすることが多いです。

営業活動では、Salesforceを活用しているのですが、今後の予測として活用することはできませんでした。また、SaaSの事業計画テンプレート(スプレッドシート)を使ってみましたが、コストのブレイクダウンができないなど、不十分な点が多いと感じていました。

その点、projection-aiはすでにテンプレート化されているため、少ないインプットで、十分なアウトプットが出るようになっています。

また、弊社は私とCFOの2名で経営しており、あとは外部のプロフェッショナルたちに業務を委託しています。

型を覚える、そして、業務負荷を減らすという2つの意味で、projection-aiは役立っていると感じています。

盛島:ありがとうございます。PLにおいて、ARR(または売上)に対するコストの割合は、どのように決めているのでしょうか?

洛西氏:2つの視点で決めています。まずは、実績値からですね。Helpfeel事業は現在2年目になるので、1年目の実績値を参考に、今後のコスト割合を決定しています。

2点目は、他社事例です。projection-aiのナレッジページにある「グローバルSaaSにおけるコスト構造」を参考にしながら、自分たちのサービスだとどのくらいが適切なのか考え、コスト割合を決めています。

(projection-aiについて語る洛西氏)

盛島:ナレッジページは非常に好評で、これだけでも有料で使いたいというユーザーの方もいます笑。ところで、(現時点で)projection-aiで管理できないメトリクスは、どのように管理されていますか?

洛西氏:多少無理があっても、projection-aiで一元管理するようにしています。例えば、原価の内訳を決める際も、人件費を95%、サーバー費を5%に設定するなど、割合をトップダウンで決めてしまいます。

細かいところはあまり気にせず、あくまでトップラインをベースに逆算思考で考えるようにしていますね。これはprojection-aiに限った話ではないですが、業務フローをSaaSに合わせること重要だと思っています。

盛島:そこがSaaSを使いこなす上で重要なポイントですよね。projection-aiを使ったことで、何か変わったことはありますか?

案野氏:元々、エクセルで事業計画を作成していたのですが、関数や数値が間違っていたことがよくありました。自分なりに頑張って作ったものの、質の高いアウトプットにはならないこともしばしばありました。

projection-aiを使うことで、自ずとグローバルスタンダードに近づくので、CFOや外部のアドバイザーの納得度が高まった気がします。

盛島:それは大きな変化ですね。projection-aiで事業計画を作る際、誰かを巻き込んでいますか?

洛西氏:はい。これまでは一人で事業計画を作っていたのですが、projection-aiを使うようになってからは、複数人で作成するようになりました。

projection-aiには、メンバー招待機能があるのですが、現在、編集・閲覧者が10名もいます笑。

一番先に巻き込んだのは、営業のトップです。トップラインをこのくらいのペースで伸ばしていきたいという話をすることで、お互いの目線を合わせることができました。

その他に、マーケティングや開発側の管理者も閲覧していますね。

盛島:なるほど。projection-aiを導入する際、他のサービスと比較検討はしましたか?

案野氏:freeeの予実比較機能は参考程度に確認しました。また、国内にも予実管理や事業計画に関するSaaSがいくつかありますが、いずれも機能が細かすぎると思いました。

管理する指標が多すぎると混乱すると思ったので、シンプルに管理できるprojection-aiを導入することにしました。

(projection-aiについて語る案野氏)

盛島:ありがとうございます。最後に、projection-aiに追加して欲しい機能があれば教えてください!

洛西氏:一番期待しているのはヘッドカウント管理機能です。B2B SaaS、特にSLG型プロダクトだと、人員を増やさないとどうしてもトップラインが上がりません。

ARRXX億円を達成するためには、このくらいの人員が必要、ということがすぐに分かる機能があれば、採用の遅れが原因で目標未達になることを避けることができると思います。

経営者として一番難しいと感じているのが、やはり採用なんです。とても負荷のかかる業務なので、ヘッドカウント機能があれば、自信を持って採用を進めていけると感じています。

案野氏:私はドル表示に対応してほしいですね。弊社はグローバル市場も視野に入れて営業しています。PMFが上手くいってシード調達する際、海外投資家とコミュニケーションすることになるため、ドル表示に対応して欲しいなと思います。

洛西氏:あと、リード獲得コストも見える化できると嬉しいです。CACを低くすること、そして、そのCACをキープしたままトップラインを伸ばせるかが重要となるので、そこの管理ができるとありがたいです。

盛島:洛西さん、案野さん、本日は貴重はお話ありがとうございました。まだまだ未熟な点もあるかと思いますが、今後もガシガシ機能開発を進めて参ります!

洛西氏・案野氏:ありがとうございました!

Text by Kakeru Miyoshi(@saas_penguin
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